システムの見通し
Slackwareでは、公式パッケージの管理がPatrick Volkerding氏を中心としたメンテナンスチームによって行われています。
公式パッケージには、一般的に使用されるソフトウェアが収録されており、それ以外のパッケージは自分でインストールするか、SlackBuildsのようなサードパーティのパッケージを利用してインストールします。
DebianやRedHatなどの他のディストリビューションとは異なり、Slackwareでは依存関係にあるパッケージが自動的にインストールされません。
一部のユーザーには面倒に感じられるかもしれませんが、自分が把握していないソフトウェアがシステムに入り込むことがないという利点があります。
これにより、システム内にインストールされているパッケージを容易に把握でき、見通しが良くなり、結果的にシステムの安定性にも寄与します。
使い心地
Slackwareがパッケージ依存管理の自動解決システムを欠いていることから「使いづらい」と感じる人もいるでしょう。
しかし、パッケージ依存管理システムはあくまでシステム管理ツールの一部に過ぎず、Slackwareは、名前の由来である「slack」(緩さ)によって、レポジトリに強制されない独自の使いやすさを提供しています。
パッケージ依存管理システムはインストール時に便利ですが、同時にそのレポジトリのパッケージングルールに従わなければならない「強制力」も持ち合わせています。
ルールに基づいて運用されることで、システムのクリーンさが保たれる一方、ルールから外れると使いづらさが増すことがあります。
Slackwareのパッケージは基本的にtar.txz形式のアーカイブで構成されており、自分で簡単に好みのconfigureオプションを使用してパッケージを作成することができます。
したがって、Unixで一般的なソースコードからビルドするスキルを身につけることで、独自の運用管理が容易になります。