Slackware概要
ページ作成日 2002/6/30
ページ更新日 2023/2/11
Slackware概要
SlackwareはLinux ディストリビューションの1つです。
今でこそ、Ubuntu、Red Hat Linuxと日本語のインストーラーが起動して簡単にインストールができて、デフォルトの状態で日本語が使用できるディストリビューションが多々あります。
しかし、Linuxの黎明期には、Linuxと言えばSlackwareかRed Hat Linuxかと言われる程、一般に使われていた二大ディストリビューションの一つだったのです。
デフォルトのままでは日本語が使用できなかったため、PJEが作成した日本語化パッケージ群をインストールすることで、日本語を扱えるようにしていました。
1999年頃までは、Slackware概要の書籍も多々発売されていましたが、Red Hat LinuxやTurboLinuxの普及に伴い、徐々に存在感が薄れてしまいました。
しかし、海外では未だに多くのユーザに使われている人気のあるディストリビューションの一つです。
起源
"Slackware Linux Essentials" 15p 1.2 what is Slackwareから引用(原文は英語。訳:竹洞)
SlackwareはPartick Volkerdingによって1992年末に生み出されました。
彼はあるプロジェクトで安価なlispインタープリタが必要になり、その時にLinuxを紹介されました。
その当時、Linux ディストリビューションは非常に種類が少なく、PatrickはSoft Landing Systemsから出ていたディストリビューション、SLS Linuxを使用していました。しかし、SLSはいくつかの問題を抱えており、PatrickはSLS Linuxの中に見つけたバグを修正し始めました。
最終的には、彼は自分自身と友人のために、それらの修正全てを取り込んだ彼独自のディストリビューションを作り上げました。
この私家版のディストリビューションは人気を得たため、PatrickはSlackwareという命名の下に一般に公開しました。途中で、Patrickはメニュー・システム・ベースのユーザーフレンドリーなインストール・プログラムとパッケージ・マネジメントの概念といった新しいものを取り入れました。
これにより、ユーザーは簡単にパッケージを追加・削除・アップグレードできるようになりました。
現在のSlackware
今年でSlackwareは30周年を迎えます。
最新バージョンは、2022年2月4日にリリースされた、15.0です。
Patrickが病気になって一時期、命の危険もあって、Slackwareの存続が危ぶまれた事もあります。
その結果、SlackwareはPatrick一人がメンテナンスをするのではなく、バックアップで何名かが関わる体制になりました。
本家serverの置き場所を転々とした時期もありましたが、現在はAkamaiがサービスを無料で提供して、安定して配信しています。
14.2から15.0がリリースされるまで、約6年の歳月が過ぎてしまいましたが、Patrickから、CDの販売権に委託されていたSlackware Storeとの契約の問題が絡んでいることが明らかになりました。
その際、Slackware StoreからインストールCDの売上金が殆どPatrickに渡っていない事が明らかになり、Slacker(Slackwareのユーザをこのように呼称する)からPatrickへの寄付が多数行われました。
Patrickへの寄付(毎月1ドルからOK)は、Patreonから行うことが可能です。
現在もSlackwareは、海外ユーザの根強い支持を得ています。
2016年のDesktop Distribution of the Yearに選出され、2017年のServer Distribution of the Yearに選出されています。
公式サイトは、http://www.slackware.comです。