0. インストールの前に
ページ作成日
ページ更新日
ハードウェア互換性確認
Slackwareを使用するための最低要件のスペックは以下の通りです。
- CPU Intel 486
- 64MB RAM
- 5GBのディスク領域
- CD/DVDドライブ
上記のスペックは、Slackwareが稼動するという最低スペックで、実用に耐えうるスペックではありません。
サーバとして使用するのであれば、どんなサービスを行うのか、どのくらいの負荷になるのかにもよりますが、以下のようなスペックは必要でしょう。
- CPU Intel Coreiシリーズの第一世代クラス(Nehalem、2008〜2011年)以上
- 4GB RAM以上
- 100GB以上のディスク領域
開発環境やデスクトップマシンとして使用する場合は、更に高性能が必要です。
- CPU Intel Core iシリーズの第三世代クラス(Ivy-bridge、2012〜2013年)以上
- 8GB RAM以上
- 500GB以上のディスク領域
- グラフィックボード
昨今では、市場に出回っている製品についてLinuxは殆ど対応しているので、それ程神経質になる必要はありません。
もしも古いPCにSlackwareをインストールするのであれば、マザーボードのボタン電池は交換しておきましょう。
ボタン電池は、マザーボードの時計や、BIOSの設定の記憶を維持する上で重要です。
CR2032という規格の電池で、コンビニでも売っています。
モノにも依りますが、2~3年ごとに交換するのがお勧めです。
デバイスファイルについて
UnixライクなOSでは、「全てがファイル」として表示されます。
Linuxも、「全てがファイル」として表示されます。
これが非常にユニークな点で、各種ハードウェアも、ディレクトリ内部でファイルとして表示されます。
これからSlackwareをインストールするに際して、HDD、SSD、NVMeなど、PCの記憶装置を指定する場面が出てきます。
ですから、デバイスファイルについて、ここで説明します。
デバイスファイルとは
デバイスファイルとは、各種ハードウェアデバイスを、あたかも通常のファイルであるかのように表示するデバイスドライバのインターフェースです。
IDE接続のハードディスク
もしも、20年以上前の古いPCにインストールするのであれば、IDEハードディスクを使っているかもしれません。
IDE接続のハードディスクにインストールする場合は、インストールのターゲットデバイスのファイル名は、hdから始まるものになります。
- hda
- 1番目のATAチャンネルに接続されたマスターデバイス
- hdb
- 1番目のATAチャンネルに接続されたスレーブデバイス
- hdc
- 2番目のATAチャンネルに接続されたマスターデバイス
- hdd
- 2番目のATAチャンネルに接続されたスレーブデバイス
Serial ATA/SCSI接続のSSD/ハードディスク
ここ2003年以降のマシンであれば、ほぼSerial ATA接続のSSDやハードディスクを使っています。
SCSI接続のハードディスクを使っている人も未だにいるかもしれないですね。
Serial ATAやSCSI接続のデバイスにインストールする場合は、インストールのターゲットデバイスのファイル名は、sdから始まるものになります。
- sda
- 1番目に登録されたデバイス
- sdb
- 2番目に登録されたデバイス
- sdc
- 3番目に登録されたデバイス
- sdd
- 4番目に登録されたデバイス
M.2 SSD
この数年の新しいマシンであれば、M.2 SSDを使っているかもしれません。
M.2とは、SSDの接続端子について定めた規格の名称です。
M.2 SSDは、Serial ATA3.0接続と、PCIe接続と、2つの種類があります。
高速なのは、PCIe接続です。
M.2は、接続方式によって、使用するデバイスのプロトコルが異なります。
- NVMe
- SSDをはじめ、不揮発性メモリを使用したフラッシュストレージのために最適化された通信プロトコル。PCIe 3.0以降接続の場合はこちら。
- AHCI
- SATA接続のHDDに最適化された通信プロトコル。Serial ATA3.0接続の場合はこちら。
M.2規格のPCIe接続のSSDを使っているのであれば、ハードウェア通信プロトコルがNVMeですので、当然ながら、デバイスドライバのインターフェースが異なり、デバイスファイル名も変わります。
- nvme0
- 1番目に登録されたデバイスのデバイスコントローラー
- nvme0n1
- 1番目に登録されたデバイスの1番目の名前空間
- nvme0n1p1
- 1番目に登録されたデバイスの1番目の名前空間の1番目のパーティション
インストールのターゲットデバイスは、CentOSとかUbuntuだとインストーラーが自動検出してくれますが、Slackwareの場合は自分でコマンドラインで指定します。
面倒かもしれませんが、BIOSでSSDやHDDの接続の順番を確認しておいて下さい。
これが分かっていないと、先に進めないです。
ブート方式の選択
昨今のPCは、マザーボードのファームウェアがBIOSからUEFIへと変わっています。
Slackwareは、古いPCはBIOSからのブートも、新しいUEFIからのブートも、インストールで問題がありません。
Windows7/8/8.1/10のようなUEFI対応のOSをインストールしたPCをマルチブートにしてSlackwareを使いたいという場合は、UEFI対応のインストールが必要になります。
もっとも、マルチブート環境はブートローダーの設定が複雑になる上、OSのアップデートによってブート設定が壊れるリスクもあります。
お勧めは、Slackware専用のPCを1台用意することです。
中古のPCでも構いません。専用機にすることでトラブルを最小限に抑えられますし、Slackwareを思い切り使い倒すことができます。
Slackwareを日常的に使う事で、Linuxの仕組みについて学ぶ場面が増えます。
1年も使い続けると、相当の知識量になります。
これは、他のディストリビューションでは得られない効果です。
Secure Bootの無効化
UEFI環境のPCでは、Secure Bootという機能がデフォルトで有効になっている場合があります。
Secure Bootは、署名されていないOSのブートを拒否するセキュリティ機能です。
SlackwareのインストールメディアはSecure Bootに対応していないため、Secure Bootが有効な状態ではインストールメディアからの起動ができません。
デバイスの接続順を確認するためにBIOSの設定画面を開く際に、あわせてSecure Bootが有効になっていないか確認し、有効になっていれば無効化しておいて下さい。
Secure Bootの設定は、UEFIの設定画面の「Security」や「Boot」といったメニューの中にあることが多いですが、マザーボードのメーカーによって場所が異なります。
インストールの所要時間
Slackwareのフルインストールにかかる時間の目安は、以下の通りです。
- 最近のマシン(M.2搭載)
- 15分程度
- ちょっと古いマシン(SSD搭載)
- 30分程度
- 古いマシン(HDD搭載)
- 60分程度
上記はパッケージのインストール時間であり、パーティショニングや各種設定の時間は含まれていません。
初めてインストールする場合は、設定に迷う場面もありますので、時間に余裕を持って作業して下さい。
インストールは、何回もやってみることをお勧めします。
繰り返しインストールしているうちに手順が身につき、「Slackwareは難しい」と言われているけど、そうでもないな、と感じる瞬間が来ます。
その心理的な閾値が下がったとき、Slackwareが本当に使えるOSとして手に馴染んできます。
それでは、インストールメディアの作成に進みます。